シフォンケーキの難しい点/失敗する要因
甘めに設定しても、及第点かなというシフォンケーキが焼けるまでには相当苦労しました。
私が普段作るケーキの中ではダントツで難易度が高いのがシフォンケーキ。
「大きな気泡が入ってしまう」
「焼き縮み」
「型から綺麗に出すのが難しい」
シンプルな見た目に反して実はとても難しい。シンプルだからこそ、失敗も目立つケーキです。
材料、工程ともにさほど難易度が高そうには見えませんが、失敗の原因は主に
メレンゲの見極めができていないこと
最後の卵黄生地とメレンゲを合わせる作業をどこまでやるかの見極めができていないこと
かなと思います。
この感覚を掴むのにとにかく苦労しました。
今回は自分なりにまあまあ安定したかなという見極め方のコツについて主に書いていこうと思います。
17㎝シフォンケーキのレシピは卵4つのものがおすすめ
シフォンケーキは17㎝のレシピのものがわりと王道な気がするので、それを前提に書きます。
卵3つのレシピ、卵黄3つに卵白4つのレシピ、卵4つのレシピ、グラム単位ですべてきっちり決められているレシピ
大体この4つに分かれるかなと思います。
あくまで個人的にではありますが、
なるべく難易度を下げて安定させたい。
計量もなるべく負担が少ないのが望ましい
というすべてを叶えるのが卵4つのレシピ。
私が頻繁に作るのは、
コッタプレミアム動画で公開されているこちらのレシピ→プレミアムレッスン マーブルココアシフォン
鎌倉シフォンのレシピ→こちら
のレシピです。いずれも卵4つ、工程が細かく丁寧なレシピです。
なぜ卵3つのレシピではなく、4つなのかというと「メレンゲ」の作りがより大切になり、難易度が上がる点。
理想よりも膨らまないなというやや残念なパターンの可能性を減らすべく、卵4つのものがおすすめ。
それから、卵は計量してみると分かるのですが同じ「L玉」のものであったとしても個体差が結構あります。
たまたま小ぶりなL玉3つでやったと仮定すると、想定よりもメレンゲの量が減ってしまう。
ベーキングパウダー使用のレシピならばまだ救いはありますが、なしバージョンのレシピだとわりと致命傷です。
以上の点から、卵4つのレシピを強く推します。
神経質にならなくても大丈夫な卵黄生地のポイント
シフォンケーキはなんといってもメレンゲが肝。
なので、卵黄生地に関してはそこまで神経質になる必要はありません。
ここでいう卵黄生地とは
(牛乳)、水、サラダ油と砂糖を入れた卵黄を混ぜる生地
なんですが、ポイントは砂糖を入れた卵黄の混ぜ具合、全体の水分量、牛乳入りのレシピであるか否かです。
まず、砂糖を卵黄に入れたら即混ぜましょう。即混ぜ始めるのが実は大切。
混ぜ具合なんですが、ごりごりに混ぜる必要はないとはいえ、きちんと混ざっているのは必須。
砂糖のざらざら感があるのはアウトです。
微粒子グラニュー糖だと、溶け残りが起きにくい気がするので、個人的にはおすすめ。ほんのりと白っぽくなるほど混ぜると良いです。
卵黄の混ぜすぎで失敗というのはほぼないので、丁寧に混ぜましょう。
続いて、水分量に関してのお話。水分量が多いレシピであるほど難易度は上がります。ただ、利点としてとろけるような素敵な食感になります。
不安な場合は10gほど水の分量を減らすところからスタートしても大丈夫。十分美味しいシフォン焼けますので。
いけそうだなと思ったら既存のレシピ通りにやってみるという方法でも良いと思います。
牛乳に関しては牛乳の分量が増えれば増えるほど食感がややしっかりする傾向にあるようです。
とにかくしっとりじゅわっと滑らかな食感を目指す方には水と油オンリーのレシピの方が良いかもしれません。
いずれのレシピも試したことがありますが、個人的にはそこまで差がわからないというのが正直な感想。
そうそう、砂糖を混ぜた卵黄に水、油を加える工程で、水と油を予め少し温めておくという方法もあります。
少し手間ではありますが、卵黄に混ぜ込んだ砂糖がよりしっかりと生地全体に溶けてくれるという利点があるので安定感を求めたい方にはおすすめ。
一番大切 メレンゲの工程
上の画像はやややりすぎです。
このメレンゲの見極めが難しくて安定せず、失敗の大きな原因。
これを言っては元も子もないのですが、このメレンゲの見極めは何度も何度も失敗することで学ぶしかないなというのが正直なところ。
ただ、100点ではなくても混ぜすぎの方がまだましだなと個人的に思います。
「混ぜが足りない」方が圧倒的に失敗の確率は上がります。
メレンゲは混ぜすぎてしまうともろもろっとなって、艶感も失ってしまいます。
ただ、もろもろなるレベルというのは相当長時間しないとまず起きない現象かなと思います。
恐れず、多少やりすぎかなと思うくらい混ぜて良いと思います。
80点くらいをまずは目指す気持ちでやれたら良いかなと。
卵白は冷凍庫で少しシャリっとさせる方法なんかも見かけますが、できれば冷蔵庫でメレンゲを作り始める直前まで冷やす方法がお勧め。
卵白を冷凍庫に入れたり、古めの卵をあえて使うということのメリットは「メレンゲがたちやすい」という事なのですが、メレンゲ自体の力としてはやや弱いように思います。
少し混ぜる時間は多めにかかるかもしれませんが、新鮮な卵を冷やして、可能であれば混ぜる最中も氷水にあてて冷やしつつメレンゲを作るのがお勧め。
強くて、最終的に扱いやすいメレンゲができるように思います。
それからメレンゲ作りの際には少しだけ塩を入れて、低速で卵白のこしを切った後で超高速で混ぜるというのが良いです。
塩を入れてもしょっぱくなったりはしないので、安定させるためにほんの少し入れましょう。
おまけ
数年前にハンドミキサーを新調したのですが、これもメレンゲを安定させるのに一役買いました。
ハンドミキサーで楽をするとは言え、わりと疲れる作業なので頻繁に作る方はパワーの高いものを買うのも良いかもしれません。
参考までに、私の使用しているハンドミキサーを貼っておきます↓
卵黄生地とメレンゲの混ぜ合わせ作業 けっこうしっかり混ぜ込むべし
卵黄生地とメレンゲを混ぜ合わせさえすればあとは焼くだけ。
ただ、この卵黄生地とメレンゲの混ぜ合わせも奥が深い。
混ぜすぎてしまうと生地がさらさらになってしまい、気泡がつぶれてしまっている状態となります。
混ぜが弱いと大きな気泡が入ってしまったりして、これもまた失敗のもとに。
いろいろ調べたり、作ってみての感想ですが混ぜすぎを恐れすぎるのはよくないということ。
プロのシフォンケーキ作りなんかも動画なんかで拝見していると、思ったよりはしっかりと混ぜ込むんです。
メレンゲがまだ残っているな…みたいな状態はお勧めしないです。
ヘラでぐっと底の方から生地を持ち上げてみても綺麗に混ざりこんでいるなと思うくらい、しっかりと混ざっている状態が望ましいように思います。
それから、この混ぜ込み作業をヘラでやるものが多いですがこれは案外難しい。
上の方でも紹介した、コッタさんの動画で紹介されていた方法なんですが
「ホイッパーの網の目を利用して混ぜ込む」
のが非常に分かりやすくて個人的にヒットでした。
ヘラで混ぜるやり方はきちんと混ざりきっていなかったというのがちょいちょいあったんですが、ホイッパーだと相当改善されました。
型に入れ込んでから焼くまで
型に生地を流し込んだら、筒の部分や側面に生地がついていないか確認。
もしついていたら丁寧に取り除きましょう。
そのあと、型をもってぐるぐると型ごと回して生地をならします。
画像のようにマーブル模様にしたいときなどには推奨しませんが、微妙な気泡を整えるために竹串でぐるぐる混ぜるのもおすすめ。
焼きに関してなんですが、温度が10度変わるだけでけっこう仕上がりに響きます。
できればそう高いものでもないのでオーブン用の温度計できっちり計測するのがおすすめ↓
型は直置き、もしくは網の上に置くやり方を推奨。
間違っても銅板の上に置いたりしないほうが良いです。(すごく底上げしたことがあります)
直置きにするか、網に置くかはオーブンによって変わるのでこればっかりは実験してみるしかないように思います。
ちなみに、予熱はメレンゲ作りと同時のタイミングで私はしています。
焼きあげについて
ずっとオーブンを監視する必要はないんですが、焼きあがる数分前に様子を見るのはおすすめ。
マックスまで膨らんだのをちゃんと見届けた後、少し落ち着いたなというところで取り出してあげると焼き縮みの可能性が減るように思います。
取り出したら一度台にぽんと落として蒸気を逃がしてあげます。これも焼き縮み対策。
そのあとは逆さまにして、ふわっと大きな袋で型ごと覆って乾燥対策をしたのち半日ほど放置。
しっかりとこの時間はとるのがおすすめ。
型外しに関してはまだ個人的に納得がいっていないので、これに関してはもう少しきちんと安定してから追記します。
食べれなくはないけど失敗したなと思ったら
一発目から大成功!というのが厳しいと思われるシフォンケーキ。
私も沢山失敗しました。食べられないほどの失敗はなかったんですが、底上げや焼き縮み、大きな気泡…..いろいろ経験済です。
ただ、シフォンケーキの失敗って見た目は残念だけれど、食感や味はよかったりもあるんです。
せっかく作ったのだからなるべく見た目も綺麗であってほしいし美味しく食べたいなって気力があるときはグラスケーキにするのがお勧め。
シフォンケーキを適当な大きさに切って、グラスにぽんぽんといれて柔らかめの生クリームをとろっと流し込み、好きなフルーツでもるだけ。
これが美味しいし簡単だし華やかに変身するのでおすすめです。
さいごに/難しいけれど作る価値ありなので挑戦してほしい
初めてシフォンケーキを作ったのが18くらいでかれこれ10年以上焼いています。
まずまずという及第点となるまでに一番苦労したお菓子ですし、本当に難易度が高いです。
ただ、大体家に常備しているもので作れるという意味での手軽さと、半端なく美味しい手作りシフォンケーキは作る価値大だと思うのです。
正直、手作りよりもやっぱり専門店で買ったものの方がクオリティは高いなみたいなことって私はあります。
でも、シフォンケーキに関してはわりと「家で作ったものが究極においしい」と感じることが何回かありました。
とろけるようなくちどけの、パサッと感がまるでない極上のシフォンは手作りならではなんじゃないかと私は思います。
だから難しいけれどぜひ練習してみてほしいなと。
そういう思いで今回は記事を書いてみました。
どなたかの参考に、作る一押しになれば幸いです。
参考までに使用しているオーブン。私はこのオーブンを使うようになってから随分とお菓子作りが楽になりました。
オーブンは環境にもよるかとは思いますが、大きく、高さのあるものがおすすめ(以前のオーブンは天井が低いせいもあって焦げることもありました)。
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